最後まで自分らしく生きる、残される家族のための準備


「終活」とは、最後まで自分らしく生き、残される人が困らないよう準備することです。

自分の好きなこと、やりたかったこと、自分らしく生活できる貴重な時間を手に入れることが出来たのですから。

終活でやること

人生の締めくくりをデザイン
万が一の時に、自分は、どうすればいいのか、どうしてもらいたいのか、身近な人に伝えておきましょう。

残された家族の負担を軽減する
葬儀屋お墓などが白紙のままでは、残されたご家族は大変です。
エンディングノートに自分の葬儀の希望を書き残しておけば、ご家族は葬儀など死後の手続きや段取りがスムーズにできます。

荷物を整理する
少しずつ身の回りの不要品を整理、処分して身軽になっておきましょう。
遺された家族にとって遺品整理は時間もお金もかかり、大きな負担になります。
処分に迷ったら、1年間使わなかったら処分するといったルールを決めると良いでしょう。
趣味やコレクションなど思い入れが強く処分しにくいものは、同じ趣味を持つ方に譲渡、販売するなどしてみてはどうでしょう。

人生を振り返る
自分史を書いておくことで、人生を振り返る良い機会になります。

人生のやり残しを解消する
若い時に出来なかったことややってみたかったことに取り組む良い機会になります。

相続のトラブルを回避する
ご自分の死後、残されたご家族が遺産相続のトラブルになり、相続が争族になるのは悲しいものです。
財産の分配や相続方法などについて、遺言書を作成してはいかがでしょうか?
法的に有効な遺言書には大きく「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」の3種類があります。

終活は体力と気力があるうちに!

終活と言う言葉に関心を持つようになったなら、今のうちから少しずつ初めてみるのがおすすめです。


エンディングノート


エンディングノートとは、人生の締めくくりに向け、自分の情報や財産状況、家族に対する想い、残りの人生でやりたいことなどを記載するノートです。
書く内容に決まりはなく、家族や親しい人に対する感謝の気持ちや想いを書いたり、備忘録として、書き綴ったりしてもかまいません。

家族や友人など、エンディングノートを渡したい相手を考えながら進めると書きやすくなります。
一度に書こうとせず時間をかけて気が付いたことを何でも書き留めておきましょう。
何度書き直しても大丈夫ですから。

遺言書のように法的な効力はありませんが機密内容の記載には十分な注意を払いましょう。

悪口や恨み言などは、書いてはいけません。読んだ人の心に重くのしかかりますから。


1.医療の希望
病歴・入院歴、投薬などの記録を残しておきましょう。
かかりつけ医やかかりつけ薬局、ケアマネジャーなども記載しておきましょう。
さらに、自分らしい最期を迎えるために告知や延命治療などの希望も記載しておきましょう。

2.介護について
介護が必要な状況になったら・・・、認知症を患ったら・・・
高齢になると病気やけがで入院する機会が増えます。
また、介護施設や高齢者施設に入ることもあるでしょう。
そのような場合必要となるのが保証人です。
その為にも普段から保証人を頼めるような人間関係を作っておくことも大切です。

3.最後の時に誰に連絡してほしいか
最期の時を迎える際に、誰に連絡して欲しいかを記載しておきます。
名前と連絡先と自分との関係性を書き出しておくと良いでしょう。

4.遺言書・相続について
財産の分け方や相続分をどうして欲しいのかを相続人に書き残しておきましょう。
エンディングノートには、遺言書のように法的な効力は有りませんが自分の希望を遺族に伝えることが出来れば相続争いを避けることにもなるでしょう。

財産の種類ごとに何がどこにいくらあるかを記載しておきます。

○ 不動産(自宅)
○ 不動産(田畑・収益物件など)
○ 預貯金・借入金
○ 株式・投資信託など
○ 保険・年金
○ 会員権・骨董品
○ 債権・債務・保証人

相続税対策もしておくと良いでしょう。
(詳しくは相続のページをご覧ください)

自筆証書遺言自筆証書遺言は、本人が自筆のみですべての記載を完了させた遺言書で ワープロやパソコンの使用は不可です。
(※財産目録についてのみパソコンでの作成が可能)
民法に規定される、日付の記載、署名・押印、訂正時の処理などの規定をすべてクリアすることで法的に有効な遺言書となります。
自筆証書遺言は記載方法を間違えると無効になることがあるためよほどのことが無い限り公正証書遺言をお勧めしています。
公正証書遺言公正証書遺言は、「公証人」に作成を依頼する遺言書です。
作成する際は、公証人と遺言者以外に2人以上の証人の同席が必要となります。
公証人は、遺言者が口頭で述べる内容を書類に記載し、内容に間違いがないか確認するため遺言者と証人に向かって記載内容を読み聞かせ、内容が正しければ、各自が署名・押印を行い、最後に公証人が適正なプロセスで作成されたことを確認、署名・押印をして完了となります。
時間と費用はかかりますが、遺言書が無効になる心配はありません。
秘密証書遺言秘密証書遺言は、自筆以外のパソコンで作成したものでも可能です。
遺言内容は秘密にしたままでも大丈夫ですが、公証人と遺言者以外に2人以上の証人に確認してもらう必要があり、封入・封印が必要です。
公正証書遺言との違いは、公証人・証人は封紙上に署名・押印しますが遺言書の存在を証明するだけで遺言書の中身を確認することはないため、無効になる可能性もあるので、秘密証書遺言の作成には細心の注意が必要です。


5.葬儀について
お葬式に必要な情報や希望を書いておきます。
宗教や場所、形式、規模、知らせたい人などを記載しておきます。
遺影などの希望を知らせるのもいいかと思います。
慶弔記録を残しておくと残された人の今後の親戚付き合いにも役に立ちます。

6.お墓について
先祖代々のお墓、管理しているお墓などあれば、所在地や連絡先なども記録しておきます。
散骨や樹木葬など特別な希望があれば書き残しておきましょう。
相続税がかからないことから生前にお墓を建てる生前建墓も良いでしょう。

公営墓地公営墓地は、自治体で運営されている墓地で、倒産や閉鎖などのリスクが少ないです。
費用は比較的安い傾向ですが、墓地のある地域に居住していること、遺骨を所持していることなどの条件を満たしている必要があります。
抽選になることが多いです。
民営墓地民営墓地は、公益法人や宗教法人などが主体となって運営している墓地のことです。
寺院墓地寺院墓地は、お寺によって運営・管理が行われている墓地のことです。
お墓に入るにはそのお寺の檀家になる必要があります。
永代供養墓永代供養墓は、霊園や墓地の管理者によって永続的に管理が行われる墓地です。
永続的に管理されるので、お墓の継承者が必要ないのが特徴です。
永代供養料を支払うだけで済みますが、他の人の遺骨と合祀されるため家族や親族と事前に話し合って理解を得ておく方が良いです。

7.ペットについて
もしペットがいるなら、ペットが安心して余生を過ごすための施設や、新たな飼い主を決めておきましょう。
できるだけ具体的にどれだけの費用や対価を準備しておくか決めておくと良いでしょう。


エンディングノートの記入内容例

自分史生い立ち、学歴、職歴、思い出の場所や趣味など
個人情報本籍、年金手帳やマイナンバーカード等の情報や保管場所
家族のこと万が一の時に知らせてほしい親戚や友人知人の連絡先など
医療のことかかりつけ医、病歴、持病、服用している薬など
保険のこと保険会社名、契約プラン、契約者名、保険金受取人など
財産のこと預貯金や借入金、不動産、株や投資信託、貴金属など
介護の希望入居したい施設や希望する介護内容など
葬儀の希望希望する葬儀の内容や葬儀会社、納骨(お墓)など
遺品整理コレクションや思い出の品などについて
デジタル情報スマホの暗証番号、ブログやホームページのIDやパスワードなど
メッセージ家族や友人へのお礼や感謝の気持ちなど